FXは元本や利益が保証される取引ではありません。公的情報と各社の契約締結前交付書面を確認し、仕組みとリスクを理解したうえで判断してください。
FXのニューヨーク時間は、米国の金融機関や投資家が活発に取引する時間帯を指し、日本では夜から翌朝にあたります。ドル円やユーロドルなど米ドルを含む通貨ペアが動きやすく、米国の雇用統計やCPI、FOMCなど重要イベントも集中します。
一方、ニューヨーク時間には取引所のような明確な「FX市場の開場・閉場」があるわけではありません。米国の夏時間と冬時間で日本時間との時差が変わることを前提に、参加者が増える時間の目安としてとらえることが大切です。
この記事では、ニューヨーク時間を日本時間へ換算する方法、ロンドン市場との重複時間、米国の夏時間、主要な経済イベントを解説します。ニューヨークオプションカットや後半の値動き、取引時の注意点も整理します。
FXのニューヨーク時間とは|日本の夜から早朝

FXでいうニューヨーク時間とは、米国の金融機関や市場参加者が活発に動く時間帯を便宜的に表した呼び方です。外国為替市場は世界各地で連続して取引される店頭市場であり、株式市場のように世界共通の一斉オープン時刻があるわけではありません。
目安として、ニューヨーク現地の午前8時ごろから午後5時ごろまでを中心に見ると、日本時間では米国夏時間に21時〜翌6時、冬時間に22時〜翌7時ほどです。米国の経済指標が午前8時30分に発表されることも多く、現地の株式市場が開く前から為替が大きく動く場合があります。
前半はロンドン市場と重なるため、欧州と米国の参加者が同時に取引しやすい時間帯です。後半になると欧州勢が減り、流動性や値動きの特徴が変わることがあります。
「ニューヨーク時間だから必ず動く」と考えず、その日の経済指標、米国の祝日、相場材料を確認することが必要です。時間帯は値動きを予測する答えではなく、どの参加者やイベントが増えるかを整理するための目安として使いましょう。
取引記録には、エントリー時刻だけでなく、その日が米国夏時間か冬時間かも残すと便利です。同じ日本時間22時でも、季節によってニューヨーク現地では午前8時または9時となるため、参加者やイベントの状況を同じ条件で比較しやすくなります。
ニューヨーク時間は日本時間で何時?

ニューヨークと日本の時差は、米国が夏時間か冬時間かで1時間変わります。FXの取引時間を確認するときは、現地時刻と日本時間を分けて整理します。
夏時間の目安
米国東部時間が夏時間のEDTになると、日本との時差は13時間です。ニューヨーク現地の午前8時〜午後5時を活動時間の目安とするなら、日本時間では21時〜翌6時ごろになります。
例えば、米国雇用統計やCPIが現地午前8時30分に公表される場合、日本時間では夏時間中の21時30分です。日付は日本の方が先に進んでいるため、午後5時以降の米国イベントは日本では翌日になることがあります。
2026年の米国夏時間は、NISTによると3月8日午前2時から11月1日午前2時までです。現在のルールでは、原則として3月第2日曜日に始まり、11月第1日曜日に終了します。
毎年カレンダーの日付は変わるため、「3月8日」と固定して覚えず、取引する年の切替日を確認するとよいでしょう。
参考:NIST「Daylight Saving Time Rules」
冬時間の目安

米国東部時間が標準時のESTになると、日本との時差は14時間です。現地午前8時〜午後5時を目安にすると、日本時間では22時〜翌7時ごろになります。
夏時間と比べると、米国の経済イベントも日本時間では1時間遅くなります。現地午前8時30分の発表なら、冬時間は日本時間22時30分です。
スマートフォンや経済カレンダーが自動で時差換算する場合でも、表示基準が日本時間なのか現地時間なのかを確認します。特に海外サイトではET、EST、EDT、UTCなど表示方法が異なります。
春と秋の切替週は、いつもの時刻でアラートを設定したままにしないことが大切です。指標発表を1時間取り違えると、予定していない急変にポジションを持ったまま入る可能性があります。
FX会社の取引時間との違い
ニューヨーク時間と、利用するFX会社の取引可能時間は同じではありません。FX会社は週の開始・終了時刻、日次メンテナンス、特定祝日の短縮取引などを独自に設定しています。
市場参加者が活発になる時間と注文できる時間を分ける必要があります。ニューヨーク勢が活動していても、メンテナンス中なら新規注文や決済が制限される場合があります。
また、取引可能時間内でも、流動性が低い早朝はスプレッドが広がることがあります。営業日が切り替わる時間やスワップポイントの判定時刻もFX会社によって異なります。
利用する会社の「取引時間」「メンテナンス時間」「夏時間・冬時間」の案内を確認し、市場時間の目安と混同しないようにしましょう。
ニューヨーク市場の主な特徴

ニューヨーク時間では米国関連の市場参加者や経済イベントが増え、米ドルを軸に値動きが広がることがあります。特に前半は欧州勢も参加しているため、材料への反応が大きくなりやすい時間帯です。
米ドルを中心とした取引
ニューヨーク時間では、米ドルを含む通貨ペアへの注目が高まりやすくなります。ドル円、ユーロドル、ポンドドルなどは、米国の金利見通しや経済指標、債券利回りの変化を受けて動く場合があります。
見るべきなのは、単に「ドルが買われる時間」と考えることではなく、その日の米ドル材料に市場がどう反応しているかです。同じ強い経済指標でも、事前予想や金融政策の見通しによって反応は異なります。
ドル円では円側の材料、ユーロドルでは欧州側の材料も影響します。ニューヨーク時間だから米国要因だけで価格が決まるわけではありません。
取引前に米国だけでなく、すでに発表された欧州・日本の材料も確認すると、その日の流れを整理しやすくなります。
米ドルの方向を見る場合は、為替レートだけでなく米国債利回りや株式市場が同時にどう反応しているかを補助的に確認する方法もあります。ただし、相関は常に一定ではないため、複数市場が同じ方向だからといって売買を確定せず、実際の通貨ペアの価格条件を優先しましょう。
経済指標や金融政策による値動き

米国では雇用統計やCPIなど重要指標が現地午前8時30分に公表されることが多く、為替が短時間で大きく動くことがあります。BLSの2026年公表予定でも、Employment SituationやCPIは午前8時30分ETが基本です。
FOMC声明は通常、会合最終日の現地午後2時に公表され、記者会見がある会合では午後2時30分から始まります。発表時刻の前後は通常時と異なる値動きになりやすいため、注文条件を分けます。
指標直後は、最初の方向から急に反転することもあります。予想との差だけでなく、前回値の改定や声明文、記者会見の内容など複数の材料が同時に評価されるためです。
短期取引をする場合は、発表前後を避けるのか、値動きが落ち着いてから参加するのかを事前に決めておきましょう。
参考:米国労働統計局「Schedule of Selected Releases」
参考:Federal Reserve「FOMC Meeting calendars」
ロンドン市場と重なる時間帯

ニューヨーク時間の前半は、ロンドンの市場参加者も活動しているため、欧米双方の取引が重なります。主要通貨ペアでは取引が活発になりやすい時間帯として注目されます。
夏時間と冬時間の重複時間
通常、英国と米国の両方が夏時間なら、ロンドンの活動時間を日本時間16時〜翌1時、ニューヨークを21時〜翌6時とした場合、21時〜翌1時ごろが重複の目安です。
両方が冬時間なら、ロンドンは17時〜翌2時、ニューヨークは22時〜翌7時となり、重複は22時〜翌2時ごろです。
ただし、米国と英国は夏時間の開始・終了日が違います。米国が先に夏時間へ移行する春と、英国が先に冬時間へ戻る秋には、一時的に重複時間が通常より1時間変わります。
経済カレンダーを使う場合も、現地時刻を固定して自分で換算するより、当日の日本時間表示を確認すると間違いを減らせます。
取引が活発になりやすい理由
欧州と米国の金融機関、企業、投資家が同時に取引しやすくなるため、注文が増え、主要通貨の値動きが広がる場合があります。ロンドンは世界有数のFX取引拠点で、英国のFX市場では2026年4月の平均日次取引額が過去最高の4.609兆ドルに達したとBank of Englandが公表しています。
こうした時間帯では、流動性が増える一方で材料への反応も速くなる点があります。スプレッドが安定する場面もありますが、経済指標直後は逆に拡大することがあります。
また、欧州時間から続いていたトレンドがニューヨーク勢の参加で加速する場合もあれば、利益確定などで反転する場合もあります。
「重複時間なら順張り」と決めず、当日の高値・安値や重要イベントを確認して取引条件を組み立てましょう。
重複時間を検証するときは、開始前までのロンドン時間の値幅と、ニューヨーク勢参加後の最初の30〜60分を分けて記録します。トレンドが継続したのか、直前高値・安値で反転したのかを同じ条件で集計すると、単なる「活発な時間帯」という説明より具体的な判断材料になります。
参考:Bank of England「Results of the Semi-Annual FX Turnover Surveys in April 2026」
米国と英国の夏時間の切替に注意

ニューヨーク時間とロンドン時間を組み合わせて見る場合、米国と英国の夏時間ルールの違いが重要です。春と秋の数週間は通常の時差関係から1時間ずれます。
米国の切替日
米国の夏時間は、現在のルールでは3月第2日曜日に開始し、11月第1日曜日に終了します。2026年は3月8日に始まり、11月1日に終わります。
切替は現地午前2時に行われ、春は時計が1時間進み、秋は1時間戻ります。ニューヨークは夏時間中EDT、冬時間中ESTです。
日本は夏時間を採用していないため、米国側の切替だけで日本との時差が13時間と14時間の間で変わります。
「米国雇用統計は日本時間21時30分」と固定して覚えると冬にずれるため、現地発表時刻と当日の時差をセットで確認しましょう。
参考:NIST「Daylight Saving Time Rules」
英国の切替日とのずれ
英国では、原則として3月最終日曜日に時計を1時間進め、10月最終日曜日に戻します。2026年は3月29日にBSTへ移行し、10月25日にGMTへ戻ります。
そのため2026年春は、米国が3月8日に夏時間へ入ってから英国が3月29日に切り替わるまで、米国だけが夏時間の期間があります。秋も英国が10月25日に冬時間へ戻り、米国が11月1日に戻るまでずれます。
この期間は、普段の「ロンドンとニューヨークの重複時間」が日本時間で1時間変わります。
年間の売買記録を時間帯別に分析する場合も、単純に「21時台」「22時台」だけでまとめず、夏時間の状態を記録すると比較しやすくなります。
例えば3月の切替前後で同じ日本時間のデータを比較すると、現地では別の時間帯を比べている可能性があります。ニューヨーク現地時間、ロンドン現地時間、日本時間の3つを表にしておくと、春と秋のずれを見落としにくくなります。
また、祝日や臨時のイベントで市場参加者が少ない日も別に記録すると、単なる夏時間差と流動性低下を切り分けやすくなります。
スマートフォンや取引ツールの時刻設定も確認し、チャートが日本時間・ニューヨーク時間・サーバー時間のどれで表示されているかを統一すると、検証時の1時間ずれを防ぎやすくなります。
参考:GOV.UK「When do the clocks change?」
ニューヨーク時間の主な経済イベント

ニューヨーク時間には米国の重要指標や金融政策イベントが集中します。発表前後は値幅だけでなくスプレッドや約定条件も変わる可能性があるため、時刻を確認します。
米国雇用統計
ニューヨーク時間の確認
米国雇用統計のEmployment Situationは、雇用者数や失業率などをまとめた重要な経済統計です。BLSの公表スケジュールでは、2026年も多くの回で現地午前8時30分に発表されています。
日本時間では、米国夏時間中は21時30分、冬時間中は22時30分です。発表時刻は政府都合などで変更される可能性があるため、当月の公式カレンダーを確認します。
市場予想との違いだけでなく、過去月の改定値や失業率、賃金など複数項目が同時に発表されます。そのため、最初の値動きがそのまま続かないことがあります。
短期売買では、発表直前の新規注文を避けるルールや、一定時間経過後に参加するルールを検証するとよいでしょう。
参考:米国労働統計局「Schedule of Releases for the Employment Situation」
CPI

米国のCPIは消費者物価の変化を示す統計で、インフレ動向を見る材料として注目されます。BLSの2026年スケジュールでは、CPIも午前8時30分ETで公表されています。
夏時間なら日本時間21時30分、冬時間なら22時30分が基本です。総合指数だけでなく、食品・エネルギーを除く指標や前月比、前年比など複数の数値が同時に評価されます。
物価動向は金融政策の見通しにも関係するため、予想との差が大きいと米ドルや金利が大きく動くことがあります。
発表前後は逆指値が予定価格で約定しない可能性も考え、通常時よりポジションを小さくする、取引を見送るなどの条件をあらかじめ決めます。
FOMC声明と記者会見
FOMCは米国の金融政策を決める会合です。通常、声明は会合最終日の午後2時ETに公表され、記者会見がある場合は午後2時30分から行われます。
夏時間中は声明が日本時間翌3時、記者会見が3時30分、冬時間では翌4時と4時30分が目安です。日本では深夜から早朝になるため、保有ポジションがある場合は事前に予定を確認します。
政策金利の変更だけでなく、声明文、経済見通し、議長発言によって値動きが複数回変わることがあります。
FOMCをまたいでポジションを持つ場合は、通常の損切り幅だけでなく急変やスプレッド拡大も想定して資金余力を確認しましょう。
参考:Federal Reserve「FOMC Meeting calendars」
ニューヨークオプションカットとは

ニューヨークオプションカットとは、外国為替オプションの多くが満期を迎える慣行上の時間を指します。特定の行使価格に大きな満期が集中している日は、短期の為替参加者から注目されることがあります。
オプションカットの時間
市場で「ニューヨークカット」と呼ばれる代表的な満期時刻は、ニューヨーク時間午前10時です。日本時間では、米国夏時間中は23時、冬時間中は翌0時になります。
毎日のオプション満期情報では、通貨ペア、行使価格、想定元本などが示されることがあります。ただし、すべてのオプションがこの時刻に満期となるわけではありません。
また、日本時間の日付をまたぐ冬時間は、海外記事の「当日10am NY cut」と日本のカレンダー日がずれることがあります。
情報を見る際は、掲載日、通貨ペア、行使価格、単位を確認し、古い満期情報を取引判断に使わないようにしましょう。
参考:InvestingLive「FX option expiries – 10am New York cut」
為替レートへの影響

大きなオプションが特定の行使価格にある場合、満期前にヘッジ取引が発生し、為替レートの動きに影響する可能性があります。ただし、満期水準が価格を必ず引き寄せるわけではありません。
強い経済材料やトレンドがある日は、オプションの行使価格から離れて動くこともあります。オプション残高の存在だけで売買方向を決めるのは避けた方がよいでしょう。
現在価格が行使価格に近いのか、ほかに重要な経済イベントがあるのかを併せて確認します。
検証する場合は、満期情報を見た時点の価格、満期までの距離、その後の値動きを記録し、結果を後付けで説明しないことが必要です。
特に、行使価格まで数十pips離れている場合と、満期直前にほぼ同水準にいる場合では条件が大きく異なります。想定元本の大きさだけを見ず、現在値との距離、同時刻の経済イベント、直前のトレンドを併記すると、オプション情報が本当に判断材料になったかを検証しやすくなります。
オプション情報を利用する場合も、それ単独をエントリー条件にせず、直近高値・安値や値動きの勢いと組み合わせた補助材料として位置付けると、結果を後付けで説明することを避けやすくなります。
ニューヨーク時間後半の値動き

ニューヨーク時間の後半は、ロンドン勢が取引を終え、米国側だけが中心になる時間帯です。前半と同じ流動性や値動きが続くとは限りません。
ロンドン市場終了後の変化
ロンドンの参加者が減ると、欧米の重複時間に比べて取引量が低下する場合があります。前半に大きく動いた後は、利益確定やポジション調整で方向が変わることもあります。
重要なのは、前半のトレンドを機械的に後半へ延長しないことです。高値・安値を更新できなくなった、値幅が縮んだなど、実際の価格変化を確認します。
一方、米国株式市場の動向や要人発言などで後半に再び大きく動くこともあります。
取引時間を限定するなら、欧米重複時間だけを対象にする方法と、後半も含める方法を分けて成績を記録すると、時間帯の違いを比較できます。
後半を取引する場合は、前半の値幅がすでに大きかったかも確認します。日中の平均的な値幅を大きく消化した後では、同じ方向へさらに伸びる余地が小さい場合があります。一方、米国企業の材料や要人発言で新しいトレンドが始まることもあるため、時間だけで方向を決めないことが必要です。
早朝まで保有する場合は、FX会社の日次メンテナンスや営業日切替も確認します。決済や注文変更ができない時間をまたぐ場合は、事前に注文状態を整理しましょう。
早朝の流動性低下

日本時間の早朝は、ニューヨークの参加者も減り、次のアジア時間が本格化する前の時間帯です。FX会社の日次メンテナンスや営業日切替と重なる場合もあります。
この時間帯では、スプレッドが通常より広がる可能性があります。狭い値幅を狙う短期売買では、コスト増加が成績に影響しやすくなります。
また、少ない注文で価格が動きやすくなることもあります。通常時間と同じ数量・損切り幅をそのまま使わないことが大切です。
早朝に取引する場合は、利用するFX会社のスプレッド適用時間、メンテナンス時間、注文受付条件を確認しましょう。
後半の取引では、その日の高値・安値までの距離や、すでに消化した値幅も確認します。前半で大きく動いた後に小さなレンジへ移った場合と、後半から新しい材料で動き出した場合を分けて記録すると、時間帯ごとの特徴をより正確に比較できます。
ニューヨーク時間の取引の考え方

ニューヨーク時間は値動きが出やすい場面がある一方、重要イベントも多いため、時間帯だけで売買方向を決めず、当日の流れと損失管理を組み合わせます。
トレンドの継続と反転を確認する
ニューヨーク勢が参加したとき、ロンドン時間までのトレンドがそのまま続く場合もあれば、反転する場合もあります。東京・ロンドン時間の高値と安値を確認し、現在価格がどこにあるかを整理します。
例えば欧州時間に上昇し、ニューヨーク開始後も高値を更新するなら継続候補です。反対に、高値更新に失敗して直近安値を下抜けば、流れが変わった可能性を検討できます。
夜の取引前チェック
どちらを狙う場合も、価格がどの条件を満たしたらエントリーするかを事前に決めます。
「ニューヨーク時間は反転しやすい」といった一般論だけで逆張りせず、その日のチャートで確認できる条件を使いましょう。
取引時間と損切りルールを決める
夜間すべてを監視するのではなく、自分が集中できる時間を決めて取引する方法があります。例えば21時〜24時だけ、指標発表日は発表後30分からなど、ルール化します。
同時に、1回の想定損失と1日の損失上限を決めます。値動きが大きい日は損切り幅も広がりやすいため、同じ数量を使うと損失額が増えます。
損切り幅が通常の2倍必要なら、許容損失額に合わせて数量を小さくする方法があります。
取引終了時刻も決めておくと、連敗後に深夜まで取引を続ける状況を避けやすくなります。
例えば「欧米重複時間の2時間だけ」「FOMCの日は声明発表前に終了」など、時間とイベントを組み合わせたルールにできます。取引しない日を設けることも有効です。
また、同じ手法でもニューヨーク前半と後半で成績が違う場合があります。時間帯別の勝率、平均利益、平均損失、スプレッドを集計し、どの時間にルールが機能しているかを確認すると、取引時間を絞る根拠になります。
取引ルールには、開始時刻だけでなく「新規注文を出さなくなる時刻」も設定できます。終了直前に新しいポジションを持ち、予定外に早朝まで保有することを避けられるため、生活時間と資金管理を両立しやすくなります。
ニューヨーク時間に取引する際の注意点

ニューヨーク時間は、経済指標、祝日、週末前などによって通常と異なる相場環境になります。注文前に当日のカレンダーと取引条件を確認します。
経済イベントの発表時刻を確認する
重要指標の発表時刻は事前に確認し、日本時間へ正しく換算します。特に3月と11月の米国夏時間切替では、いつもの発表時刻が1時間変わります。
雇用統計やCPIだけでなく、小売売上高、GDP、ISM、FRB高官発言なども為替へ影響する場合があります。
経済カレンダーの予想値だけでなく、発表時刻と対象期間も確認しましょう。予定が変更される場合もあるため、直近の公式情報を基準にします。
イベントをまたぐ取引をしない場合は、何分前までに決済するかまで決めると実行しやすくなります。
スプレッドと約定ずれを確認する
重要イベントの前後や流動性が低い時間帯では、提示スプレッドが広がることがあります。価格が速く動くと、注文価格と実際の約定価格がずれるスリッページも発生します。
そのため、チャート上の損切り幅だけで損失額を固定しないことが必要です。逆指値が想定より不利な価格で成立するケースも考えます。
FX会社によって注文方式やスリッページ設定の有無が異なります。取引説明書を確認し、実際の約定履歴も記録しましょう。
短期売買では数pipsのずれが大きいため、通常時間と指標時間を同じ成績データに混ぜない方法も有効です。
米国の祝日と週末前の状況を確認する

米国の祝日は金融機関や市場参加者が少なくなり、通常の平日とは取引量や値動きが異なる場合があります。クリスマスや独立記念日、感謝祭などでは特に取引時間が変更されるサービスもあります。
また金曜日の後半は、週末をまたぐポジション調整が行われる場合があります。翌週の材料を避けるため決済が増えることもあります。
祝日でもFX会社が取引を受け付ける場合がありますが、流動性が通常どおりとは限りません。
祝日スケジュールとFX会社の特別営業時間を確認し、普段と条件が違う日は取引を減らす、見送るなどのルールを検討しましょう。
週末前は、ポジションを持ち越す場合のギャップリスクも考えます。金曜日の終盤で新規ポジションを持つなら、月曜日の再開価格が損切り水準を飛び越える可能性を踏まえ、数量や持ち越し可否を事前に決めておくとよいでしょう。
東京・ロンドン・ニューヨーク時間の違い

東京・ロンドン・ニューヨーク時間は、参加者と活発になる時間帯が順番に移っていくと考えると整理しやすくなります。東京時間では日本やアジアの参加者が中心となり、円や豪ドルなどアジア時間に材料が出る通貨が動くことがあります。
ロンドン時間になると欧州勢が増え、ユーロやポンドを含む主要通貨ペアの取引が活発になりやすくなります。Bank of Englandの調査でも、英国は大規模なFX取引拠点です。
その後、ニューヨーク時間前半ではロンドンと米国の参加者が重なり、米ドル関連の経済指標も加わります。夏時間なら日本時間21時ごろ、冬時間なら22時ごろから米国勢の参加が増える目安です。
各時間帯の特徴は固定された値動きの法則ではありません。東京でトレンドが始まりロンドン・ニューヨークまで続く日もあれば、各市場の切替で反転する日もあります。
生活時間に合わせる際は、どの市場を狙うかより、継続して観察・記録できる時間を選ぶことが大切です。時間帯別の成績を分けて集計すると、自分の手法と相性のよい時間を判断しやすくなります。
東京・ロンドン・ニューヨークをすべて追う必要はありません。毎日同じ2〜3時間を観察する方が、異なる市場時間を断片的に追うよりも、値動きと取引コストの特徴を比較しやすくなる場合があります。
FXのニューヨーク時間の特徴を理解して取引しよう

FXのニューヨーク時間は、米国の市場参加者が増え、米ドルを含む通貨ペアが活発になりやすい時間帯です。日本時間では、夏時間に21時〜翌6時、冬時間に22時〜翌7時ごろを活動時間の目安として考えられます。
前半はロンドン時間と重なり、米国雇用統計やCPIなど現地午前8時30分の指標も集中します。FOMC声明は午後2時ET、ニューヨークオプションカットは午前10時ETが代表的な時刻です。
米国と英国では夏時間の切替日が異なるため、春と秋にはロンドンとの重複時間が通常から1時間ずれます。経済イベントも固定の日本時間だけで覚えず、当日の公式スケジュールを確認しましょう。
ニューヨーク時間は値動きの機会がある一方、急変やスプレッド拡大も起こります。取引する時間、損切り、数量、指標前後の扱いを事前に決め、時間帯別に記録して検証することが活用の基本です。
まずは自分が取引できる時間を決め、経済イベントがない通常日と、雇用統計・CPI・FOMCなどの日を分けて記録してみましょう。時間帯そのものより、どの条件で成績が変わるかを確認することで、ニューヨーク時間を売買ルールへ具体的に組み込みやすくなります。
参考文献
- NIST「Daylight Saving Time Rules」
- 米国労働統計局「Schedule of Selected Releases」
- Federal Reserve「FOMC Meeting calendars」
- Bank of England「Results of the Semi-Annual FX Turnover Surveys in April 2026」
- GOV.UK「When do the clocks change?」
- 米国労働統計局「Schedule of Releases for the Employment Situation」
- InvestingLive「FX option expiries – 10am New York cut」
- Economic News Release Schedule|米国労働統計局



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